取り出される資源
溶融メタル
溶融炉内に溶解した比重の重い溶融メタルは炉底から排出されます。鉄や銅などのベースメタルのほか、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属類やレアメタルを豊富に含んでおり、国内各地の製錬工場へ送られて有価金属原料に生まれかわります。これが都市鉱山とよばれるゆえんとなっています。
溶融還元石
溶融炉内で溶かされた焼却灰等の約50%は石材「溶融還元石」になります。この石の特徴はマグマ状に溶けた原料をゆっくり冷却することで結晶化され、天然石相当の硬石が出来ることです。
また、溶融還元石は「あいくる材※」の認定を受けており、割ぐり石や路盤材として川や道路等の土木資材として使用されています。
※「あいくる材」とは、愛知県の公共工事でリサイクル資材を積極的に利用するために県が認定した再生材料です。
認定番号 | 資材名 | 寸法・規格 | 用途 |
27)-1 | 溶融還元石(CRストーン)200~150 | 200~150mm | かご工の中詰め材、防波堤の中詰め材・腹付石、石積(張)及び基礎ぐり(捨)石 |
溶融還元石(CRストーン)150~50 | 150~50mm | ||
溶融還元石(CRストーン)1号 | 割ぐり石1号 | ||
27)-2 | 溶融還元石(エコストーン)S1、S2 200~150 | 200~150mm | かご工の中詰め材、防波堤の中詰め材・腹付石、石積(張)及び基礎ぐり(捨)石 |
溶融還元石(エコストーン)S1、S2 150~50 | 150~50mm | ||
27)-3 | 再生クラッシャラン(CM-40) | 40~0mm | 道路等で使用する路盤材 |
![]() 溶融還元石150~50 |
![]() 溶融還元石200~150 |
![]() 再生クラッシャラン |
![]() 27)-1 あいくる材認定証 |
![]() 27)-2 あいくる材認定証 |
![]() 27)-3 あいくる材認定証 |
亜鉛・鉛原料
溶融炉から排出される排ガスはろ過式集塵装置を経由し、ここで灰が捕集され、溶融飛灰として回収します。この溶融飛灰は亜鉛と鉛が濃縮され豊富に含まれているため、国内の製錬工場へ出荷し各種原料になります。
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磁選メタル、プーリー鉄粉
金属鉄は溶融の際に多量のエネルギーを消費するだけでなく、溶融メタルの有価金属濃度にも影響を与えます。予め原料灰中の鉄分を、粉砕機及び多段の磁選機を駆使しながら可能な限り除去することで、この影響の最小化を図っています。
磁選機により回収した鉄は「磁選メタル」と呼び、外部の資源化工場でリサイクルされます。灰と鉄が混合した状態の粉末は「プーリー鉄粉」と呼ばれ、外部の工場へ出荷してリサイクルしています。